市街地の商業施設内に、親子の居場所を
加西市の玄関口でもある北条町駅
兵庫県加西市は、県南部に位置する、人口約4.3万人の自然が豊かな街です。
近年は、20代〜30代の子育て世代の転出が増加傾向にあることから、同市は子育て世代が住みやすいまちづくりを推し進めています。
まちづくりに関する市民参加型のワークショップでは、「自粛期間に親子の行き場がなく悩んだ」との声や、「親子ともにストレスを抱えず、あそびにも仕事にも集中できる環境がほしい」などの声が聞かれました。
無電柱化された北条駅前のまちの景観
市民の声を受けて、加西市とボーネルンドが協業し、市街地にある商業施設「アスティアかさい」内に、子ども向けの屋内あそび場と保護者向けのテレワークセンターが一体となった施設「かさいこども広場＆パパママオフィス アスも」を開発しました。
共働き家庭が増加し、コロナ禍による急速なテレワークが普及した中、新しい働き方と子育てを両立する親子をサポートします。
”森”をテーマにした、子どもも大人もワクワクする場所
あそび場の壁面には、温かみのある木材や木のグラフィックも
「アスも」は、豊かな自然に囲まれた加西市の環境にちなんで”森”をテーマにデザイン。子どもの遊び場「遊びの森エリア」と、テレワークのための「学びと交流の森エリア」の2つに分かれています。
「あそびと仕事」「子どもと大人」「にぎやかと静か」といった、目的が異なる2つのエリアを切り離すのではなく、統一感のあるデザインと程よい距離感をつくることで、緩やかにつなげて一体感をもたせています。遊ぶも、学ぶも、働くも、ワクワクする毎日をこの場所で過ごしてほしいと願っています。
多様なあそびと学びが体験できる「遊びの森エリア」
専門の保育士が預かり保育を行っている
「遊びの森エリア」には、あそびの種類ごとに「動のあそびゾーン」「静のあそびゾーン」「ベビーゾーン」の3つからなり、赤ちゃんから小学生まで、発達・成長や好奇心に沿ったあそびと学びが体験できます。施設には子どもの発達に沿ったあそびを提案する「プレイリーダー」が常駐し、親子のあそびをサポートします。また、保育士が常駐する「一時預かりゾーン」を併設しているので、子どもを預けてテレワークセンターで仕事に集中することもできます。
発達や興味に合ったあそびを見つけて体験できる
動のあそびゾーンでは、天候に左右されず、からだを使ったあそびが思いきり体験できるので、土日や夏休みなどは小学生の姿も多く見られます。静のあそびゾーンでは、等身大でままごとが楽しめたり、ジオラマで想像力をかき立てたり、子どもたちの心を育みます。いつ訪れても、「今日はこれで遊びたい！」といった欲求にこたえる多様なあそびがここには揃っています。
落ち着いた空間でゆったり過ごせる「学びと交流の森エリア」
仕事や勉強、読書に活用できるテレワークエリアのフリースペース
木のぬくもりに囲まれた落ち着いた空間のテレワークエリアは、仕事をしたり、勉強をしたり、読書をしたり。会社や自宅とは別の、気分を変えて集中できる場所です。フリースペースや個室ブースをはじめ、WEB会議室や動画配信システム、3Dプリンタなどの最新設備も整えています。企業セミナーや大人向けのイベントの開催場所としても活用されています。
新しい働き方と子育てを両立する親子にとって居心地のいい場所へ
照明にもこだわった大人もリラックスできる空間
子どものあそび場において見落とされがちなのが、子どもを見守る大人の居心地の良さ。仕事に家事、そして子育てと毎日慌ただしく過ごす大人にも、ホッと一息ついてリフレッシュできる場所が必要です。子どもの健やかな成長のために、大人も心身ともに元気に楽しく子育てしてほしい。こういった想いから、大人もリラックスできるように空間全体をやわらかな木のトーンで統一し、照明位置や明るさにもこだわりました。
「あそびたくなる楽しいデザイン」と「落ち着きのある、おもてなしのデザイン」を融合させ、新しい働き方と子育てを両立する親子にとって居心地のいい自分の場所になることを目指しています。
