豊かなあそび環境とは?G What’s the Excellent Playground?

季節を楽しむ自然遊びとプレイリーディング
〜プレイヴィルでの実践例〜

「豊かなあそび環境とは?」のコラムでは、あそび環境づくりを考える際のヒントになるような提案や事例をご紹介します。
外遊びが楽しくなる春の季節がやってきました。屋外エリアのあるあそび場「プレイヴィル」でも、水を使ったあそびや、さまざまな自然物を使ったあそびを日々子どもたちが楽しんでいます。今回は、プレイヴィルで実践している、プレイリーダーによる楽しい外遊びの方法や、自然遊びの環境設定のヒントをご紹介します。

考えるきっかけや感じる心を育てる 環境設定と声掛け

季節や天候による変化のある屋外空間では、子どもたちの発見や、やってみたいことは日々変化します。プレイリーダーは、屋外のあそび環境を作る際、「道具を自由に使える環境設定」と「大人による声掛け(プレイリーディング)」を意識して日々あそび場づくりを行っています。

道具を選び、体験の幅を広げる環境

自由にあそびや発見、学びを体験する場には、「多様な道具の種類(バラエティ)」と「いつでも使える量」を準備しています。試してみたいと思った時に誰でもすぐに使えるよう、使用できる道具はできるだけ多く用意し、いつでも使えるように子どもたちの目や手が届く場所に設置します。あらかじめ道具を用意しておくことで、子どもたちは使う道具を考えながら、時には途中で変更もしながらあそびを体験していきます。

あそびをガイドする「プレイリーディング」

子どもたちが自由に遊ぶ場でも、大人による寄り添いやガイド、きっかけ作りが有効に働く場合があります。
完了までの詳細なやり方ではなく、気づきやあそびのきっかけをつくり、伝えることが大切です。「こっちにある木の実で遊んでみる?」と道具や素材を提案したり、「これをどうやって使うと面白そうかな?」と方法を子どもたちに問いかけたりすることで、子どもたちの想像力や興味はさらに広がります。あそびに夢中になり始めたら、大人は離れた場所に移動して見守ります。子どもたちはトライ&エラーをくり返しながら、自らどんどん工夫してあそびを展開していきます。

道具で変化を楽しむ砂遊び

外遊びが心地よい季節にじっくり楽しめる「砂遊び」は、水と砂を手のひらや足の裏全体で楽しむ感触遊びが楽しいあそびです。なかなか自分の手で砂を触ることができない小さな子どもたちには、まずはスコップやシャベルを渡し、道具を使って砂を掘る・すくう・集めることをすすめましょう。慣れてきたら、バケツやふるいで水と砂を混ぜたり、車を渡して作ったトンネルをくぐらせたりと、一緒に遊べる道具の選択肢を増やします。多様な道具があると、子どもたちは使う道具を変えながら、乾く・湿る・泥になる砂の変化を確かめ、自然素材やもののしくみについて理解していきます。

砂場のジオラマで物語づくり

平行遊びから集団遊びへと変化が始まる年齢の子どもたちには、みんなで1つの作品を作る「砂場でジオラマ遊び」もおすすめです。それぞれ離れて砂遊びを楽しんでいたら、一つひとつの山や家を道路でつないでみようと促します。山や道路がつながったら、車や飛行機などのあそび道具や、乗り物に見立てた箱などの道具を渡してみましょう。作った道路に乗り物を走らせながら、物語づくりが始まります。多様な道具を使いながら、仲間と協力して遊ぶ・コミュニケーションをして遊ぶきっかけとなります。

臨場感あふれるごっこ遊びは、外遊びならでは

屋外でのごっこ遊びは、当日発見したものを使うので、毎回異なる素材や方法で楽しめます。ドングリなどの木の実や砂、葉や枝、石や水などの自然素材を集めたら、水に浸す・木の実をすりつぶす・色水をつくるなど自由な「調理」を体験。調理道具や食器は、本物そっくりなものがあると再現度も高くなり、仲間との見立て遊びも体験しやすくなります。プラスチックの遊具は、割れることや汚れることを気にせず使えるので、安心して何度も繰り返し調理や盛り付けにチャレンジできます。

シーン設定と促しで毎回異なるあそびに

ごっこ遊びは、異年齢交流やコミュニケーションの場として活用しやすいあそびです。調理器具や食器を用意するだけで、なりきりあそびが始まります。子どもたちが遊び方を迷っている時は、大人が「おいしいケーキがあるカフェ」などフレームとなる場面を設定してきっかけをつくるだけで、子どもたちの想像力はさらに膨らみます。また、「面白いお店が開店したよ」と周囲の子どもたちに声をかけると、自然と子どもたちが集まり、言葉のやりとりがスタートします。

バケツを使い、五感で楽しむ観察遊び

自然観察を促したい時、植物や花の種類がまだわからない小さな子どもたちには、バケツを1つ渡してみましょう。「見つけたものを入れてみよう」と声をかけるだけで、色やかたち、においや手触りなど一つひとつ特徴を確かめながら、観察と収集が始まります。途中で「何がみつかったかな?」と大人が声をかけ、大きな葉っぱや小さな葉っぱ、黄色い花はあるかな?とクイズを出すと、いつもと同じ場所でも、季節ごとの変化を感じながら遊ぶことができます。

作品や言葉でアウトプットをして、発見を学びに

4歳以上の子どもたちは、発見したものを共有したい・表現して記憶に残しておきたい気持ちも芽生えてくるので、観察して感じたことや発見したことをアウトプットする機会をつくります。
例えば、色を混ぜることができるネンドを使って、さまざまな葉の特徴を表現してみましょう。色やかたちをよく観察して表現することは、深い学びや理解につながります。できあがったものを見せあう機会をつくると、子どもたち同士で「どこで見つけたの?」「この色は、どうやって作ったの?」と会話が生まれます。多様な考え方や方法を知ることは、新たな知識の習得や自然への興味につながるでしょう。

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