子どもも楽しい市民の公園へ
生きる力につながるあそびを保障

農業が盛んで、かつて「日本デンマーク」と呼ばれた愛知県安城市は、同市の代表的公園「安城産業文化公園デンパーク」が開園20周年を迎えるのを機に、園内の一部エリアをリニューアル。 「子どもも楽しいデンパーク」をコンセプトに、ボーネルンドと協業して屋内外の遊び場を整備しました。
自然に近い環境で遊べるように
特に人気なのが、「風車の広場」に設置した高さ12メートルに及ぶ国内最大級の大型木製遊具です。ドイツの木の職人の手によるこの遊具は、天然木のナチュラルな曲線をそのまま活かしてつくられています。
森の中で木登りするような感覚で全身運動ができ、高低差があるため危険を予測する力や課題解決力にもつながります。
一見危ないと思われるかもしれませんが、子どもたちが自分の頭で考えて、自分の力に合わせて遊び方を選んでチャレンジできるようにすれば、子どもは危険性をきちんと察知することができます。
例えば、階段、ロープ、はしご、ボルダリングの壁など、登り方にも様々なアクセスが用意されています。
「リスク」を残し「ハザード」は徹底排除
日常生活の中でも、子どもたちが遊ぶ環境には、「リスク」と「ハザード」という2種類の「危険」がつねに潜んでいます。「リスク」とは、子どもが自分で察知できる危険。「ハザード」は、そうではない罠のような危険です。
ハザードは徹底的に排除する一方、「リスク」は子どもたちに体験させあげることが、生きる力を育むためには欠かせません。日本の公園からは、高い遊具や回転する遊具は「危ないから」という理由で減り続けていますが、安城市には必要性を深く理解していただきました。
実際に遊んでいる子どもたちの様子を見ると、チャレンジして「できた!」という達成感があるだけでなく、助け合ったり協力しあったりしているシーンも。大いに遊ぶことでしか獲得できない生きるための力を、子どもたちが自分で身に付けていると感じます。
屋内外に、多様な遊び場が充実
他にも、砂や水で遊べ、親子の憩いの場となる屋外あそび場「子ども広場」、天候に左右されず、幅広い年代の子どもが発達や興味に応じて自由に遊べる室内あそび場「マーガレットハウス」も新たにオープンしました。
これによって、赤ちゃんから小学生までの子どもたちがいつでも遊べる環境が整い、連日たくさんの親子で賑わうようになりました。2018年3月17日のリニューアルオープンから同月末までの2週間をとってみても、平均の1.5倍となる入場者数を連日記録。
今回のリニューアルに際し、安城市ではデジタルを活用した遊び場なども検討したそうですが、繰り返し何度も遊びたくなる施設を目指してボーネルンドをパートナーに選んでくださったとのこと。その狙い通り、親子で何度も訪れたくなる公園として支持を集めています。