• 花博記念公園鶴見緑地
  • 花博記念公園鶴見緑地
  • 花博記念公園鶴見緑地

関西

花博記念公園鶴見緑地

森の中のインクルーシブなあそび場

120ヘクタールを超える広大な都市公園内に、子どもたちが体を動かして関わり合いながら遊べる「インクルーシブなあそび場」が完成しました。シンボル遊具「ジャイアント・ドーム」、回転遊具、乳幼児向け遊具、スイング(ブランコ)の4つのゾーンで構成されたあそび場には、発達段階に合わせて遊んで楽しめるデンマーク・コンパン社の遊具が揃います。親子で関わり合いながら遊ぶ乳幼児や、思いきりからだを動かす小学生、ハンディキャップがある子どもなど、多様な子どもたちが仲間と関わり合いながら自分の「やってみたい!」あそびを見つけて楽しめる場です。

概要

カテゴリー
公園
導入
2021年6月
敷地面積
約350u

関西を代表する自然豊かなレクリエーション公園

連日多くの人々が訪れる、緑豊かな公園

1990年に「国際花と緑の博覧会(花博)」が開催された会場としても有名な、「花博記念公園鶴見緑地」は、関西を代表する都市公園です。木々や花々が咲く120ヘクタールを超える広大な敷地内には、植物園や乗馬苑、キャンプ場などがあり、家族のお出かけや遠足、スポーツを楽しむお年寄りまで連日多世代の多くの人々が訪れ、思い思いの時間を過ごしています。

全身を使ってジャイアント・ドームで遊ぶ子どもたち

これまでも園内には子ども向けの遊具が設置されていましたが、乳幼児から小学生まで、もっと幅広い年齢の子どもたちが遊べるように、と新たな遊具設置が計画されました。

各遊具は、木々に囲まれたひろばの周囲に配置されています。かけっこなど思いきりアクティブなあそびを楽しめるひろばの要素は中心に残しながらも、これまでなかなか利用されていなかった森の中もあそびや休憩に使用してもらえるよう、各遊具はひろばと森の間の林縁部に設置されました。

各遊具は森に入る直前の「林縁部」に設置されている

遊具が林縁部に設置されることで、近くの木陰で見守りや休憩がしやすくなるため、大人も子どももより長い時間ゆったりと園内で過ごしやすくなります。シンボルとなるドームはなるべく園内の多くの場所から見える位置に設置し、車いすのままでの利用が想定される回転遊具は、アクセスがしやすい手前側に配置するなど、公園を訪れた多くの人々に利用しやすいよう全体設計をしました。

森を見渡せるジャイアント・ドーム

木々の間からも姿が目立つ、高くそびえるジャイアント・ドーム

花博記念公園北口ゲートからしばらく直進して歩くと、広場の奥に巨大なネット遊具「ジャイアント・ドーム」が見えてきます。離れた場所からもよく見える存在感のあるドームは、「小学生も思いきりからだを動かして遊べ、公園のシンボルとなる遊具を」と設置されました。6mもの高さがあり、6歳以上の子どもたちが遊べるスリル満点な遊具です。

声を掛け合いながら、頂上を目指してネットを登る

下から上へ登る方法はポールやネット、ロープなどいくつもあり、子どもたちは自分に合った難易度のアクセス方法を選び、登っていきます。ゆらゆら揺れるロープをしっかりとつかんで足を踏み込む、バランスをとりながら上へと進むなど、登り続けるにはさまざまなからだの動きやからだを支える力が必要となります。 試行錯誤しながら頂上までたどり着いたら、景色を楽しみながらひと休み。仲間とおしゃべりを楽しみながら、いつもより高い場所から公園を見渡すことができます。

親子でコミュニケーションをしながら過ごせるブランコや遊具

手遊びのしかけやごっこ遊びのしかけがあるプレイパネル

小学生が自分の力を試しながら楽しめるドームの隣には、乳幼児向け遊具エリアがあります。よちよち歩きでゆっくりと歩くブリッジ「ブッシュウォーク」や、ごっこ遊びの舞台となるハウス、トンネルや手遊びのしかけを試しながら探検するプレイパネルなどがあり、まだ集団遊びが難しい小さな子どもたちも、自分の発達に合わせたあそびを見つけて親子で楽しむことができます。

タイプの異なるブランコを体験

エリア内にはさまざまな形状のブランコが設置されている

スイングエリアには複数人で一緒に乗ることができる鳥の巣のような形のブランコや、親子で向かい合って乗ることができる「You&meシート」、しっかりとサポートがついていて乳幼児も安心して乗ることができるタイプなど、4種類のブランコが設置されています。年齢や気分に合わせてブランコを選び、仲間と一緒に乗ることができます。

多様な人が交流し、あそびを楽しめる場へ

登ることができない子どもも、地表面に近い部分のしかけで遊べる

今回のあそび場は発達段階別のあそび揃えのほか、「インクルーシブなあそび」を体験できる場として機能することも目指して設計されています。

ハンディキャップがある子どもも一緒にあそびを楽しめることはもちろんのこと、乳幼児も小学生も、思いきり走り回りたい子どもも、皆が自分のやってみたいあそびを見つけて思う存分体験できる。一緒にからだを動かしてコミュニケーションをしながら、遊んで学べる。このような場の実現を目指し、遊具が選定されました。

シートに座るほか、中央部分に立つ・寝転んであそびに参加できるシーソー

車いすのまま内側に乗り込んで回転を楽しめ、外側からも車いすに座ったままバーを押して仲間と一緒に遊べる「ホイールチェアー・カルーセル」や、中央のプラットフォームとスプリングがあることで、息を合わせるという行動が苦手な子も皆で揺れを楽しめるシーソーなど、多様な子どもたちが関わり合いながらあそびを楽しめる遊具が設置されています。

「ホイールチェアー・カルーセル」では、出会った子ども同士ですぐにあそびが始まる

誰もが体験しやすい仕様の遊具は、あそびの輪の中に自然と加わりやすいことも特徴です。小さな子どもを連れた保護者からは「他の公園だと恥ずかしがって一人で遊ぶけれど、ここに来ると、自分から他の子どもたちの輪の中に入っていってみんなと遊ぶんですよ。」と話し、あそびを見守ります。

森の中に子どもたちが遊びやすい場が生まれ、発見や楽しさに溢れた交流が始まっています。

PHOTOS by AYUMI NAKANISHI
※掲載写真は2021年10月、投稿内容は2022年2月現在の情報です

ページトップへ