豊かなあそび環境とは?C What’s the Excellent Playground?

集団や異年齢で楽しむゲーム

「豊かなあそび環境とは?」のコラムでは、あそび環境づくりを考える際のヒントになるような提案や事例をご紹介します。
今回は異年齢の集団遊びのヒントを取りあげます。

仲間と関わり合いながら楽しむ「ゲーム」

3歳以上の年齢になると、自我が発達し、自分と他者との関係性の中で、
客観性や社会性が身につくころ。
周囲の人々とのコミュニケーションもより活発になり、他者との関わり方を学んでいきます。

ゲームも、コミュニケーションをしながら楽しめるあそびのひとつ。
集団遊びの場で行うゲームは、家族以外の仲間や大人と関わる貴重な時間です。
シチュエーションや参加者の年齢に合わせて、
ルールを理解しやすいシンプルなタイプや、
推理観察をして勝利を目指すタイプのものなど
たくさんの種類の中からぴったりのものを選ぶことが大切です。

低年齢におすすめな、ルールがシンプルなゲーム

3〜5歳頃までは、文字や数字がわからなくてもゲームに参加できるよう、
バランスゲームや色合わせ・かたち合わせ、記憶力を試すマッチング・ゲームなどがおすすめです。

3つのサイコロを振り、すべての色が入ったキャンディーを見つける「キャンディー・キャッチャー」や、

ぐらぐら揺れるワニの上に卵をのせていく「ワニの親子のぐらぐらゲーム」は、
シンプルなルールなので理解して進めやすく、小さな子どもも参加しやすいゲームです。

参加をすることで他の人を待つなどの順番やルールを守ることはもちろん、
じっくり遊具を観察して工夫をすることが身につき、
色やかたちに親しみながら理解を深めることもできるでしょう。

異年齢で一緒に遊ぶ際のポイント

設定保育の場や大人数での自由保育の時間には、
限られた人数の子どもだけが集中して遊ぶゲームのようなあそびは取り入れづらいものです。
しかし、延長保育や土曜保育の時間など、異年齢の子どもたちが少人数で遊ぶような場面では、
子ども同士の関わりもつくりやすく、特におすすめです。

その際、薄い紙製のあそび道具ではなく
木製ピースや厚紙でできたタイプのものは小さな子どもでも扱いやすく、
お気に入りのゲームを長い期間楽しめる環境をつくることができます。

少し難しそうな場合は、年長の子どもがサポートし、
ゲームの進行を手伝う・ルールを簡単にしてあげるなど関わり合うことで
思いやりの気持ちも育まれるでしょう。
一緒に発見や失敗を繰り返しながら、遊ぶことができます。

高年齢は、大人も一緒に勝敗の行方を楽しむ

5〜6歳になると、相手の表情を読むことや、勝つための作戦を考えることもできるようになります。
トランプのような紙製のカードも上手に扱えるようになるので、カードゲームも候補にすることができるでしょう。
低年齢向けのゲームでは物足りなくなってくる子どもたちには、
ルールがシンプルながら大人が一緒に遊んでも、毎回勝敗の行方が分からないゲームがおすすめです。

順番にカードを並べて、マッチングした色のスティックを集める「カラーフォックスゲーム」や、

先の先を読みながら順番に丸いブロックピースを道に置いていき、
相手をブロックする「対戦型戦略ゲーム スパイを追いつめろ!」など
推理力や記憶力、運を頼りに楽しむゲームなどは、大人も巻き込みながら夢中に楽しめます。

子どもたちはゲームを通して、じっくり考える楽しさや、勝敗の喜びや悔しさを味わい、
自分の気持ちをコントロールすることや、困難から立ち直る力を育みます。
子どもも大人もお互い手加減をせずに勝利を目指してチャレンジできるので、
小学生が一緒に遊ぶ学童保育の場や、大人が関わりながら一緒に遊べる時間におすすめです。

園やあそび場でのゲームの体験は貴重なコミュニケーションの時間になります。
教育や保育の場に、遊ぶことでこころや頭を育てるゲームを、取り入れてみませんか?
次回は、心を育む乗用遊具をご紹介します。

 

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