まちづくりも担う最新の大型物流施設
都内最大級の広さを誇る大型物流施設
2024年9月、板橋区舟渡四丁目地区に都内最大規模(開業時)となる大型物流施設「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」が誕生しました。日本製鉄東京製造所の跡地につくられたこの施設は、災害の際に1,000人が退避できる「緊急一時退避場所」や支援物資の保管・配送機能の強化を図る「災害時配送ステーション」機能を兼ねそろえた、最新の物流施設です。
施設の隣を流れる新河岸川に沿って広場を設置
防災機能以外にも、これまで地域が大切にしてきた景観や文化、暮らしやすさを施設開業後も維持するため、物流施設全体のデザインには「地域に溶け込み、誇りとなる物流施設」というコンセプトが掲げられました。今回「地域にひらかれた広場」を施設内に設置することになり、広場のあそび環境づくりをボーネルンドにご依頼いただきました。
発達段階に合わせて遊べる大型遊具
地域の親子や子どもたちが交流してあそびを楽しむ
施設のすぐ隣にある水辺公園は、広場のスペースに限りがあリ、子どもが遊べる遊具も1基のみとあそび場が不足している状態でした。今回、地域の子どもたちが思いきり体を動かしながら、家族で過ごせる広場を目指して完成したのが、大型遊具が揃う「わくわく広場」です。施設の後方の新河岸川に沿って広場には、家族連れや河川敷をお散歩する保育園児、小学生が集まり、楽しく遊んでいます。
川に隣接する広場として表層材にも川の流れや水紋のデザインが施されている
エリア内には大人も一緒に楽しめる遊具があるので、家族や仲間と一緒に安心して遊ぶことができます。公園の利用者は「幹線道路とは反対側(建物の奥)にある広場なので、乗用車が走る道路へ飛び出す心配が少なく安心です。広々として開放感があり、たくさん駆け回りたい小さな子どもをのびのびと遊ばせることができます」と話します。
発達段階別に遊べる2つのエリア
夢中に遊ぶ子どもをベンチに座りながら見守ることができる
わくわく広場内は、幼児向けエリア(3〜6歳)と児童向けエリア(6〜12歳)に分かれています。幼児向けの「イマジネーションエリア」には、ごっこ遊びを楽しめるおうち型のすべり台や汽車の遊具、揺れる動きを楽しめるスプリングやシーソーが設置されています。小さな子どもたちが自分自身の力でからだを動かしながら、想像を膨らませて思い思いに遊具を行き来しながら遊べます。
大人も一緒に乗って楽しめる「海のシーソー」
イマジネーションエリアには大人も乗れる遊具があり、親子であそびを一緒に体験できます。ベンチやテーブルもすぐそばに設置してあるので、子どもたちは見守る保護者の姿を確認しながら安心して遊べ、保護者もゆったりと過ごしながら子どもたちの成長を感じることができます。
多様な動きを体験できる「チャレンジエリア」
のぼって川や周囲の眺望を楽しめる遊具「ブロックス」
小学生児童向けの「チャレンジエリア」にはタワー型遊具やクライミング遊具など、さまざまなからだの動きを体験できる遊具が揃います。高さのある遊具が設置されているので、全身を動かして頂上にたどり着き、達成感を感じながら流れる川や周囲の景観を楽しめます。車いすのまま体験できる回転遊具もあり、子どもたち一人ひとりがあそびに参加して集団遊びを楽しめる空間になっています。
長いスライダーが迫力満点の「メガデッキ」
タワー型遊具「メガデッキ」は高さが4.7mあり、景色が楽しめる頂上までのぼりきった後は、スリルいっぱいの長いスライダーで一気にすべりおります。クライミングやネットなどのぼり方はさまざまなので、子どもたちは仲間と相談しながら方法を考え、「次はここからのぼろう!」と何度も繰り返し挑戦して楽しんでいます。
環境に配慮したグリーンラインシリーズを採用
遊具に使用されている素材を説明する看板も設置
物流施設全体で雨水の保水や緑地部分の生物多様性を高めるなど、持続可能な社会に向けた環境設計がされることに合わせて、あそび場の遊具にも自然環境に配慮したデンマーク・コンパン社の「グリーンライン」シリーズが導入されました。広場全体も「未来につながるカーボンニュートラルなあそび場」として、構成する遊具をすべて同シリーズの遊具でそろえ、表層材の一部にも再生材を使用し設計しています。
あそびの機能も充実している、グリーンラインシリーズ
グリーンラインシリーズは、海洋廃棄物や使用済み繊維、食品包装廃棄物を再利用し、炭素排出量を低減した製造方法にてつくられた遊具です。「安全にのびのびと遊べるこの環境をいつまでも地域に残したい」という願いを込めてつくられたあそび場は、多世代に愛される広場として利用されています。
PHOTOS by AYUMI NAKANISHI
※投稿内容は2024年12月時点の情報です