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関西

ひみっこぱーく

にぎわいを創出する、街の魅力が詰まったあそび場

地域活性化のまちづくりの一環として、奈良県桜井市の地域交流施設「まほろばセンター」がリニューアル。このリニューアルの核となる全天候型の屋内あそび場「ひみっこぱーく」を手がけました。桜井市の魅力をデザインとして組み込んだ250坪を超える広さを誇る場内には、子どもの年齢や発達に合わせて遊び込める遊具や環境が揃い、子育て世代の交流の場となっています。

地域が抱える課題を解決する、あそび場づくり

桜井市の風景

奈良県中部の三輪山に抱かれた桜井市は、日本の歴史を読み解くうえで欠かせない文化財が数多く存在する由緒ある街です。ベッドタウンとしても発展してきましたが、2000 年をピークに人口が減少、特に 20 〜30代の子育て世代の転出が目立つ傾向にありました。こうした状況の中、市は市民と一体になって地域活性化にむけたまちづくり の一環として、JR桜井駅前の商業施設内にある地域交流施設「まほろばセンター」のリニューアルを計画。この、多世代が集う場をつくる取り組みに、ボーネルンドが携わることとなりました。

街の活性化を目指し、250坪を超えるあそび場が駅前に

家族ごとに遊具を選んでゆったりと遊べる、静のあそびゾーン・ベビーゾーン

今回のリニューアルの核になったのが、全天候型の屋内あそび場「ひみっこぱーく」です。「人口減少とともに利用者が減少していた駅前に、再びにぎわいを取り戻したい」という桜井市の想いのもと、広々としたあそび場が誕生しました。子どもの年齢や発達に合わせて思う存分遊び込めるように、場内は乳幼児専用の「ベビーゾーン」、ごっこ遊びや組立遊びなどが楽しめる「静のあそびゾーン」、体を思いきり動かして遊べる「動のあそびゾーン」の大きく3つのゾーンで構成されています。

ダイナミックにからだあそびができる、動のあそびゾーン

またその広さを活かして、絵本をじっくり読めるスペースや、子どもを見守りながら大人同士が語り合えるベンチを設置し、親子で、3世代で、友達同士でといったさまざまな利用ができるように配慮。多様なあそび揃えとゆとりのあるゾーニングを施すことによって、子ども自身がその日の居場所を見つけることができ、毎日でも来たいと思える場所になるよう設計しています。

街の誇りへとつながるデザイン

地元の豊かな自然をイメージしてデザインされた、ボールプール

あそび場がある「まほろばセンター」は、多目的ホールや交流室、保育士が常駐する子育て支援施設や健康ステーションなどを併設しています。暮らしを支える施設の中にあり、「どうやってこのあそび場が土地に馴染み、愛着をもっていただける場所にできるのか」はひとつの課題でした。そこで、市民に「ここは私たちのあそび場だ」と思ってもらえるように、この地の歴史や美しさを感じるような「土地の魅力」をデザインとして組み込みこみました。

三輪山をイメージした壁面装飾

ベビーゾーンは桜井市の美しい花々が咲いていた里山を、静のあそびゾーンは人々が行き交い暮らす街をモチーフにしています。動のあそびゾーンは、市のシンボルである三輪山の山並みをはじめ、この街にある身近な自然をイメージして設計。由緒あるこの街が持つ神秘的な空気感や穏やかさを表現するために、水彩で描いたグラフィックや和紙の壁紙を使用するなど、あそび場全体で歴史と自然が織り成す桜井市の魅力を表現しました。

世代を超えて愛される街への願いとあそび場

異年齢で一緒に遊ぶ、街の子どもたち

遊んでいる最中は気づかなくても、ふとした時に目にするデザインや、居心地の良い雰囲気の中で遊んだ思い出は、幼少期の幸せな記憶や土地への愛着として、大人になった後もずっと心の中に残ります。何世代にもわたって愛される街を目指し、子どもの健やかな成長を願ってできたこのあそび場は、2019年5月のオープンから約半年で来場者数5万人を達成。当初、市が掲げていた年間4万人という目標を半年で優に上回るかたちとなりました。歴史ある街にできたこの新しいあそび場には今日も市内外からたくさんの親子が訪れ、駅前には再び人々の笑顔があふれています。

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