地域の子育て世代に来てもらえる店づくりを
世界のあそび道具でごっこ遊びなどがたのしめる、ロールプレイゾーン。奥のベビーゾーンは、ボールプールや壁面を利用した遊具などで充実したあそび場に。
埼玉トヨペット株式会社は、トヨタ自動車のディーラーのなかでも9年連続で総合表彰される、高い実績を誇る販売店。さいたま南支店は、埼玉トヨペットの旗艦店の役割も果たしています。
「トヨタ自動車の自動車は、2020年５月からすべての店舗で、全車種が扱えるようになります」と話すのは、支店長の中條正智さん。
「これまでは、車種ごとに専売店が決まっていました。たとえば、トヨペットではアルファードを販売していますが、カローラはトヨタカローラでしか買えません。お客様はほしい車種によって購入店を選んでいましたが、2020年からは全店舗でトヨタの全車種が購入できるようになる。つまりは、ほしい車種があることが来店の動機ではなくなるのです」
ベビーゾーンは、赤ちゃん連れの親子が安心して遊べるスペース。赤ちゃんがさまざまなあそびに興味がわくような工夫を随所に施している。
「お客様に当店を選んでいただくには、ブランディングを確立する必要がありました」
車の購入を検討するのは、０〜２歳の子どもがいる家族が中心。さいたま南支店は「用事がなくても行きたくなる」「子どもを連れて行きたくなる」「子どもが行きたがる」「平日に行きたくなる」「地域に密着した」「何度来ても飽きない」を掲げ、子育て世代に親しまれる店舗を目指します。
「とくに子育て中の女性に来ていただきたいと考えました。この地域は30〜40代の専業主婦の割合が高いんです。一方、安心して子どもを遊ばせる場所が少ないエリアでもあります」
こうして、店のブランディングと地域のニーズを満たす、あそび場づくりが計画されました。
あそびを通して、地域の子育て支援
全身を使ったあそびがたのしめるアクティブゾーンでは、工夫次第でいろいろなあそびができるトランポリンが人気。大型ブロックは、子どものイマジネーションを引き出している。
「広いキッズスペースを確保するために、車は店の外に出しました。あそび場には、子どもが飽きないようにたくさんの玩具をそろえ、アクティブなあそびも楽しめるよう、プレイハウスやすべり台を設置しました。ボーネルンドの『あそぶことは生きること』という考え方には、共感を覚えますね。お子さんたちを見ていると、あそびを通して生きる力が身につくと感じるからです」
あそび場の運営以外にも、子ども向けの英会話教室の開催や、週末にイベントや潮干狩りツアーを主催するなど、地域の親子とのつながりを築く努力を続けています。
安心、安全なあそび場が信頼につながる
「ボーネルンドの遊具はつくりが良いので、今までけがをすることなく遊んでいただいています」（中條支店長）
「４月のリニューアル以来、わいわいひろばの来場者は右肩上がり。１時間の入れ替え制だったのを、空いていればもう１時間延長できるようにしました。利用者からは『気軽に来られる』『子どもが思いきり身体を動かせる』などのお声をいただいています。なかでも『きれいで安全、安心です』といったご意見が多く、そうしたことが当店の信頼につながっています」
本社事業戦略部の「ママ友支援室」の女性社員たちの意見を取り入れた子ども用トイレや授乳室、ミルクにも安心して使用できるお湯の提供などのママ目線も、リピーターが多い理由です。店内にアロマを焚いたり、ハンドマッサージのサービスを行ったりと、五感に心地よい細やかな心づかいも欠かしません。
地域の家族みんなと長くつき合える店に
さまざまな年齢の子どもが思い思いに遊ぶ姿が一日中見られる。カウンターテーブル越しに見守るママたちにとっても、憩いの場に。
キッズスペースの存在は、車の販売にもつながっております。
「ちいさなお子さんがいらっしゃるお客様の場合、こちらから車を取りに行って点検をするといったことがありましたが、あそび場ができてからは、ご家族でのご来店が増えました。子どもさんが遊んでいる間に、商談も落ち着いてできますね。ほかにも、わいわいひろばを利用したのをきっかけに、カタログを持ち帰り、車を購入された方もいます。
今後の課題は、みなさんの声に応えて、引き続ききれいで安心して利用できるあそび場を維持していくこと。私も朝早く来て、清掃をしています。これからも末長く地域のご家族に支持される店舗となるよう、努力していきたいですね」
お話：埼玉トヨペット さいたま南支店 支店長 中條正智さん。
